定年バックパッカー海外放浪記

2016年5月29日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年、横浜生まれ。神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

 現在の日本の高校生には理解できないであろうが1970年代当時文化大革命の理念は世界中の若者を魅了、パリはじめ欧州各地、さらには中南米でも革命気分が横溢。日本でも学生運動が先鋭化し神奈川県の私の通っていた“ふつう”の県立高校でも“造反有理”の看板が校内に並んだものである。

 彼女の話を聞いて文革時代の年代を照らし合わせると私と10歳くらいしか違わないことになると気づいた。それで「失礼ですが、もしかして1963年の生まれじゃないですか」と聞くとそのとおり、私より10歳若く51歳。20歳も若く見えるとお世辞抜きに真顔で言ったら「よく30歳くらいに見られるんですよ」と美魔女は婉然と微笑む。28歳の一人娘がいるがしょっちゅう姉妹に間違われると。

美魔女のしたたかな半生

市内を走る乗合タクシーのフロント

 結婚しているのか聞くと“バツ2”である。大学卒業後香港人の事業家と知合い結婚。香港で一緒に暮して娘を生んでから離婚。彼女曰く、最初の夫はお金持ちで実業家としてはそれなりだったが、人間的に面白みがなくやや退屈な男であったと。離婚した時点で香港の永住権とパスポートをすでに手に入れていた。

 その後、香港でドイツの世界的大企業のシーメンスの現地法人に勤務しているときにドイツ本社から赴任してきた11歳年下のイケメンのドイツ人エンジニアと熱烈な恋愛をして再婚。数年後彼が帰国する時に彼が「シーメンスを辞めてドイツの故郷で教師をする」と言い出したので離婚。給料は下がるが一年の半分が有給休暇の教師になって人間らしい生活を送りたいと彼は決断。彼女はドイツの田舎で退屈な生活を送るのは耐えられないと離婚を選択。

 彼女曰く、この元夫とは今でも「最高の友人」という関係であり「最も尊敬できる男性」であると。元夫の後任で香港に赴任してきた14歳年下のドイツ人エンジニアは元夫の親友であり、香港勤務のあとロンドンに赴任してロンドンで経済学博士号を取得。それから転職して現在は37歳にしてドイツの鉄鋼・機械最大手のCFO。

 このCFO氏が香港勤務中に彼女とデキてしまい、現在37歳のCFO氏からプロポーズされていて困っているのと美魔女は嬉しげに自慢。CFO氏は多忙な仕事をやりくりして二週間後のクリスマス休暇を利用して彼女に会いに来るという。彼と会ったらプロポーズを受けざるを得ないので、来年のゴールデンウィークまでCFOと会うことを先延ばししたいという。

中国人の貪欲な人生哲学

 正直なところ、こんなややこしい三角関係話を半ば自慢げに話しているのを聞いていて多少バカバカしく感じたが、しかし中国女性特有の価値観・思考方法が彼女の生き方の根底にあるように思われ興味が湧いてきた。美魔女は典型的な中国人の伝統的価値観を持っており、貪欲にそれを実現するために人生を設計していると気づいた。

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