35歳の時点で未婚である女性が、その後結婚する確率は2%以下と言われることがある。
これは2000年と2010年の国勢調査の結果から類推された数字で、2000年時点の35~39歳の女性の未婚率が13.9%で、2010年の45~49歳の女性未婚率が12.6%。ゆえに、10年間で結婚したのは1.3%。さらに、40歳以上では、2000年の40~44歳女性の未婚率8.6%が、10年後の2010年の50~54歳の未婚率8.7%とほぼ変わらず……というところから算出されたものである。
国勢調査の結果では……
これらの数字は、国勢調査の結果から導き出されたものなので、2016年に新しい調査の結果が発表されると、またべつの事実が浮き彫りになってくるのかもしれない。
とはいえ、過去のデータは“過去の結果”でしかないのだから、未来を変えていきたいと思うなら、今から動き出せばいい。実際、2015年現在では、女性たちの“婚活意識”は、2010年と比べると高まっているし、このシリーズでも紹介したように、50歳を向かえた男女の結婚に対する意識も以前とは違っている(注・国勢調査では、50歳時点で未婚の人たちの割合を“生涯未婚率”として、生涯独身でいる人たちがどのくらいいるかを示す指標としている)。
では、現実に50歳を過ぎて初めて結婚する人たちはどのような経験を経て、結婚に至ったのだろうか。
2010年の国勢調査後に、49歳で婚活を始め、51歳で結婚をした近藤幸恵さん(仮名)に話を聞かせていただいた。
50歳で結婚した女性
幸恵さんは、取材先のひとつである結婚相談所の仲人をする女性から紹介された。
「アラフィフの婚活だったけど、例外的に年下の男性からも求められるようなとても素敵な女性なのよ」と見せてもらった写真には、柔らかい笑みを浮かべた優しそうな女性と、彼女にちょっと似たやはり優しそうな男性が仲睦まじそうに写っていた。
「結婚30周年の写真だ」と聞かされたとしても、「そうですか」とうなづけるような、しっくりと合う2人。
カメラに向かって笑みを浮かべるこの女性は、いったいどんな思いで婚活をして、どうして結婚を決めたのだろうか。
年が明けた1月半ば、私は彼女に会いに行ってきた。