仕事から逃げたくて……
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しかし、理由は年齢ではなかった。
「私が婚活を始めたのは、はっきり言って、当時の上司のせいなんです。上司が変わって、もの凄いパワハラを受けるようになったんですね。私はITに疎くて、乗り遅れていた面があったんでしょう。でも、直属の上司から、毎日『あなたはできない』『辞めてほしい』と言われ続けて、とても辛かったです」
本当に辛かったのだろう。穏やかだった表情をそのときだけ曇らせた。
「だから、私が婚活を頑張れたのは、上司のお陰でもあるんです。お恥ずかしながら、私は仕事から逃げたくて、婚活を始めたんです」
そして、結婚相談所に入る。
異性と何年も交流してこなかった幸恵さんは、そのひと月後から、毎週末をお見合いに費やすことになる。
⇒第10回後半に続く。
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