国宝 室町時代 明応5年(1496) 愛知・齊年寺蔵
*展示期間:2016年5月3~22日
鎌倉時代、中国から日本に本格的に伝えられた禅宗。その教えは武家や皇族、そして江戸時代には庶民へと広く浸透し、同時にもたらされた水墨画や、のちに茶の湯へと発展を遂げた喫茶の風習など、日本文化に与えた影響は大きい。
今年が臨済(りんざい)宗・黄檗(おうばく)宗の宗祖、臨済羲玄(ぎげん)の1150年遠諱(おんき)、来年は日本における臨済宗中興の祖、白隠慧鶴(はくいんえかく)の250年遠諱に当たるのを機に、日本各地の臨済宗・黄檗宗の寺院に伝わる寺宝を紹介する展覧会が開かれる。
展示は、約1500年前に達磨大師によって、インドから中国に伝えられたとする禅宗の成立から始まり、日本に定着していく過程、そして書画や工芸品に見られる禅文化へと続く。座禅を組む達磨に、弟子入りを乞う慧可(えか)が、自ら切り落とした左手を持つ場面を描いた、雪舟等楊(せっしゅうとうよう)の「慧可断臂(だんぴ)図」や、禅僧画家、如拙(じょせつ)が、室町幕府第4代将軍の足利義持が出した課題に答えて描いた「瓢鮎図(ひょうねんず)」などの国宝や重要文化財を含む、約200点を展観できる。
また、武田信玄と快川紹喜(かいせんしょうき)、織田信長と沢彦宗恩(たくげんそうおん)など、戦国武将の心の師として、時には参謀役や交渉役として活躍した禅僧にまつわる展示なども興味深い。
<開催日>禅─心をかたちに─ 2016年4月12日~5月22日
<会場>京都市東山区・京都国立博物館 平成知新館(京阪本線七条駅下車)
<問>☎075(525)2473
http://www.kyohaku.go.jp/jp/
*情報は2016年2月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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