明日、チェンマイのタイ式ボクシングのジムに入門して住み込みで修行するという。中国では少林拳、韓国ではテコンドー、日本では柔道、空手を学びたいという。なんと世界格闘技修行の旅である。40年前に少年マガジンで連載されていた梶原一騎原作≪空手バカ一代≫、極真空手の創始者“大山倍達”の世界である。
翌日早朝に彼はキックボクシング修行に出発。山間にあるジムまで2時間くらい歩いてゆくという。「グッド・ラック! 元気でな!」とセルビアの格闘家のがっしりとした掌を固く握手して見送った。
凛として生きるニッポン女性Fさん、66歳
12月20日 夕方屋上のテラスでビールを飲んでいたら日本女性が屋上に上がってきた。ゲストハウスのオーナーから噂を聞いていた2階の個室に長逗留しているFさんだ。Fさんの第一印象はさっぱりテキパキとした女将さんタイプ。
中国地方出身、66歳。2年前離婚してチェンマイに移住。今回一年ぶりに里帰りして日本に残していた家具や衣類など全て処分して身辺整理してきたという。彼女は資産家の旦那と結婚して40年以上連れ添った。その間に二人息子が生まれ、現在は二人とも円満な家庭を持っているという。同居していた旦那の両親も元気だったのでFさんは55歳まで仕事を続けてきた。
元来外で働くのが好きだったという。旦那はどちらかというと仕事が嫌いであまり社交的ではない性格であった。旦那は57歳で希望退職に応じて仕事を辞めた。その後Fさんも退職して旦那の両親の介護をしていたが5年前に両親も他界。それからは二人で海外旅行したりマレーシアやタイでロング・ステイをしたという。
ところが旦那は何をしても不満気に文句ばかりいって何かを積極的に楽しむということができない性格。二人で海外の自由な旅や生活をエンジョイしているにも関わらず旦那は面白くないようで、Fさんは結局いつも旦那のお守りをしなければならず旦那が重荷になってしまったという。やっと長年の介護から解放され人生の余暇を楽しむステージが来たのに、その貴重な人生の自由時間を旦那のお守りで台無しにされるのは我慢できなかったという。