“守り人シリーズ”が幅広い年齢層に響くわけ
「精霊の守り人」が、ファンタジーの主要な読者である、少年少女から幅広い年齢層に読者を広げてきたのには、ファンタジーを超えて、現実に突き刺さる表現やセリフに満ちているところにある。ドラマもまたそれらを生かしながら、展開していく。
「不幸がいくら、幸福がいくらあった。あのとき、どえらい借金をおれにしちゃった。……そんなふうに考えるのはやめようぜ。金勘定をするように、過ぎた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれは、おまえとこうして暮らしているのが、きらいじゃない。それだけなんだ、ってね」
バルサは、チャグムにそういうのだった。
チャグムとバルサの逃避行には、バルサの幼馴染で薬草師のタンダ(東出昌大)、そして呪術師のトロガイがつかず離れずに助ける。
チャグムは、自らに宿した精霊の卵を孵して、旱魃を防ぐことができるだろうか。逃避行のなかで、成長を遂げていくチャグム役の小林颯の演技がいじらしい。
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