WEDGE REPORT

2016年5月27日

日米同盟を強固にするため今後日本がすべきこと

宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 1978年東京大学法学部卒業後、外務省入省。日米安全保障条約課長、在中国大使館公使などを歴任し、2005年退職。総理公邸連絡調整官などを経て、09年より現職。

 今や東アジア地域の安全保障環境は急変しつつある。「力による現状変更」も辞さない中国に、自由で法に基づく国際秩序をいかに理解させるか、いかに誤算や誤解に基づく不測の事態を回避するかが今問われている。こうした地域的努力の中核は確実に機能する日米同盟であり、それを担保するのが日米和解のさらなる進展なのだ。

 その意味でも、今後注目すべきは、こうした日米間の和解プロセスがいかに進むかである。リベラル派の大統領が広島を訪問することについて米国国内で退役軍人や保守派を中心に反発の声が上がるかもしれない。こうした「わだかまり」を乗り越えるには、将来、保守派米大統領の長崎訪問が必要となるかもしれない。

 一方、日本側にも行動は求められる。首相が真珠湾(パール・ハーバー)を訪れる日もそう遠くはないだろう。

 米国だけでなく、中国、韓国(朝鮮)との和解も重要だ。「抗日戦争勝利」が統治の正統性である中国共産党、日本の植民地支配が内政問題化している韓国との和解プロセスは容易ではないだろう。だからこそ、いま日本は米国との和解のプロセスをさらに一歩進め、日米同盟をより機能する、強固なものに保っておく必要がある。

 繰り返しになるが、戦争当事国の和解プロセスに決して終わりはない。過去の事実を当時の視点で議論することは大学の授業に任せよう。現在日本が日々戦っているのは歴史学ではなく、弱肉強食の国際政治だ。過去の戦争を常に現在のルールである普遍的価値の視点から確認し合うからこそ、不測の事態が起きても同盟は機能する。

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