しかし、CIAの秘密作戦ということであれば、正式ルートでパキスタンなどから作戦の事前了承を取る必要性がない、というのが米国のテロとの戦いの解釈だ。米国は5月、アフガニスタンのイスラム過激派タリバンの指導者マンスール師がパキスタン南西部にいるところを無人機攻撃で暗殺した。
ドローンの役目は終わらない
また、2011年5月には、パキスタン領内に潜んでいたアルカイダの指導者オサマ・ビンラディンを米海軍特殊部隊シールズが急襲し、暗殺した。両作戦ともパキスタンは表面的には米国に主権を侵害したとして抗議の意を表明したが、その後はうやむやになっている。パキスタンも暗黙の了解事項なのだ。
タリバンは新指導者を選出して米国に報復を誓い、6月もカブールで自爆テロを起こすなど米軍への攻撃の機会をうかがっている。シリアやイラク、リビアでは軍事的に追い詰められた過激派組織「イスラム国」(IS)が欧州や中東でテロを激化させようと画策している。テロリスト暗殺を実行する無人機の役割はまだまだ終わりそうにない。
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