2024年11月22日(金)

WEDGE REPORT

2016年7月18日

ニューヨークを訪れる観光客(筆者撮影)

溶け合っていない“人種のるつぼ”

 高校生の頃、親友のセノビアの母親、セシールにこう言われたことがある。

 「ニューヨークは人種のるつぼと言われているけれど、実際には溶け合ってなんていないのよ。オセロの駒みたいに、それぞれが固まりあって住んでいるんです」

 ハーレムに住んでいるアフリカ系アメリカ人のセシールは、当時まだアメリカ社会の新入りだった私にそう説明してくれた。あれから何度もセシールの言葉をかみ締めている。

 普段は混ざり合って暮らしているニューヨーカーも、独立記念日のような特別なイベントでは、ライフスタイルや経済力の違いが明確になる。ちなみにヨットもサマーハウスもない筆者は、もちろん居残り組だ。パートナーも渋滞が大の苦手で、人々が好んで行くところは避けるほうである。

 でもラッキーなことに、住んでいるルーズベルト島は花火見物のベストスポット。おかげで毎年たっぷりとイーストリバーに上がる花火を堪能している。

 What did you do on the 4th of July?(7月4日は何してた?)

 We watched fireworks from our place.(うちで花火見てたわ)

 独立記念日が終わると、どこでもこんな会話が交わされるのだ。

  
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