奈良県の最南端にある十津川(とつかわ)村は、琵琶湖とほぼ同じ面積を持つ、「日本一大きな村」だ。村一番の観光スポットといえば、十津川が流れる渓谷に架けられた谷瀬(たにぜ)の吊り橋。昭和29年(1954)に、谷瀬集落の住民がお金を出し合って架けた生活用の吊り橋で、高さ54メートル、長さ297メートルと、日本有数のスケールを誇る。
毎年8月4日の「橋の日」には「つり橋まつり」が催され、吊り橋の上で和太鼓を叩く勇壮な「揺れ太鼓」が披露される。
「つり橋まつりが始まったのは平成4年(1992)のことです。吊り橋での演奏は、大阪在住の和太鼓の先生の発案でした。それに十津川村での交通事故死ゼロの記録更新の安全祈願を込めて、開催する運びとなりました」と、十津川村商工会の中平一富さん。
和太鼓を叩く「鼓魂(こだま)」のメンバーは、村営バスの運転手や旅館の主人、村役場の職員、小学生や中学生など。歩いて渡るだけでもスリル満点な吊り橋での演奏は、想像を超える揺れとの闘いになるそうだ。つり橋まつりでは、上野地(うえのじ)河川広場に特設会場を設け、盆踊りや舞台での和太鼓の演奏、花火大会も行われる。
十津川村には鉄道駅はなく、路線バスの本数も限られるが、祭り当日には、十津川温泉から無料送迎バスが運行される。
●つり橋まつり
<開催日>2016年8月4日
<会場>奈良県十津川村・谷瀬の吊り橋周辺(和歌山線五条駅からバス)
<問>十津川村観光協会 ☎0746(63)0200
http://totsukawa.info/
*情報は2016年6月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください
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