ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2016年8月4日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

 多少ともやる気と知識と時間のある人は『食事バランスガイド』(※2)を見てみよう。たとえば、主食(ご飯、パン、麺)では、成人が一日に摂取する適量は「5つから7つ」としてある。「1つ(1サービング)」分はご飯ならおにぎり1個、ご飯茶碗に軽く1杯、食パンなら1枚、ロールパンなら2個。「2つ」分というのは、うどん1杯や盛りそば1枚。

 おそらくここで、多くの人からツッコミが入るだろう。ご飯茶碗は大きさが違うだろうし、食パンも厚さによって違うだろ!と。そのとおりなのだが、そういう「細かいこと」はこのさい気にしない。だいたいの目安を頭に入れればいい。

 しかし、食事バランスガイドを見ていくうちに、どうにも混乱する数字がでてくる。ご飯の中盛り1杯(これは日常的に私たちが一番多く口にする量だろう)が「1.5つ」分となっているのだ。日本語に1.5つなどという言葉はない。数え方がアメリカの借り物であることからこういうことが起きる。ここにきて、食事バランスガイドの弱点が露呈してしまう(と私には感ぜられる)。数え方の違和感が気になって、「適量感覚」を身につけることが非常に困難になる。

「適正量」かどうかは体重計に教えてもらう

 自分の食事量が「適量かどうか」を判断するためには、「摂取量」とほぼ同じくらい重要な要素がある。それはあなたの消費エネルギー量(消費カロリー量と言いかえてもいい)だ。人はそれぞれ「消費エネルギー量」が異なる。仮に摂取エネルギー量(摂取カロリー量と言いかえてもいい)が同じであっても、消費エネルギー量が少なければ、その人の体重は増える。

 つまり「適正量」を知るためには「摂取エネルギー量」と「消費エネルギー量」の両方(エネルギーの出納という)を正確に知らねばならない。こんなことはビジネスパーソンには不可能といえよう(これは、じつは、管理栄養士や医師にとっても不可能に近いことである)。それでは「適正量」を知るすべがないではないか!と、若干いらつき気味のあなたへ。

 自分の食事量が、エネルギー出納の見地から見て「適正」であるかどうかを知る、簡単な方法がある。栄養計算やカロリー計算などは全く不要。それは「体重計に教えてもらう」方法だ。

【※2】
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html

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