Wedge REPORT

2016年8月11日

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 設備投資の中心となるのが、造船所のドックをまたぐように設置されている巨大なゴライアスクレーン、ドック脇を走行して船体ブロックなどを運搬するシブ(肘)クレーンなどのクレーン類、かつて国内で造船所の新設が相次いでいた時期には住重のほか、三菱重工、IHI、三井造船など造船・重機大手を中心に手がけるメーカーも多かったが、1970年代以降の造船不況のなかで、撤退するメーカーが相次ぎ、しぶとく生き残り、技術を磨いた住重はゴライアスクレーン分野では三井造船が自社の千葉事業所向けに制作したものを除くと、国内向けではシェア100%。

 特に今治造船が丸亀事業所に新設中の大型ドック向けの1330トン吊りという世界最大級のゴライアスクレーン3基も同社が一括受注しており、現在、新居浜製造所で製作中だ。また、ドックサイドを走行し、ブロックなどを吊りあげ運搬するジブクレーンでも国内造船所向けで80%近いシェアを持ち「手持ち受注残も24基に達している」(住重関係者)という。

三菱重工のクレーン事業を吸収

 こうしたなか、住重ではこのクレーン事業(住友重機械搬送システム)を、今後の中核事業として育成、強化していく方針だ。具体的には昨秋までに三菱重工の産業用クレーン事業(三菱重工マシナリーテクノロジーのクレーン事業)を住友重機械搬送システムが分割吸収したのを機に、これまで三菱重工が得意としていた発電所向けの揚炭クレーン、港湾荷役用のコンテナクレーンなどの分野まで業容を拡大していく考えだ。

 とくに分割吸収によって「三菱から約140人の設計部門を含めた技術者を新たに受け入れ、クレーン事業の技術力は格段に強化された」(住重関係者)としており、今後は海外市場を含めた対応力をさらに高めていく考えだ。

  
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