2024年12月3日(火)

WEDGE REPORT

2016年9月6日

 中国LeEco社がバックにつき、カリフォルニア州ガーデナ市に本社を置くEVメーカー、ファラデー・フューチャー社。今年1月にコンセプトカーを発表し、まだ市販モデルも公表されていないが、その動きは迅速で業界はおろか軍や政府関係者からの関心も集めつつある。

北京国際モーターショーに登場したファラデー・フューチャーのコンセプト・カー(Getty Images)

次々に引き抜かれるエキスパートたち

 まず、北ラスベガス市での工場建設に続き、シリコンバレー周辺に第二のオフィス開設、これが今年春から3カ月で発表された。そして6月には元ポルシェのF1チームマネージャーだったマルコ・マティアッキ氏を引き抜いて業界をあっと言わせた。7月にはフォーミュラE(EVによるレーシング)のドラゴンレーシングとの技術提携も発表。

 そのファラデーがEVの市販と同時に狙いを定めているのが自動運転への参入だ。すでに今年6月にはカリフォルニア州政府から自動運転を公道でテストする許可を得、グーグルやフォードなどに加わり同州内での自動運転テストを本格的に開始した。

 自動運転参入のためにファラデーが引き抜いたのは元ボッシュ社の技術部長で自動運転開発のエキスパートであるジャン・ベッカー氏。ベッカー氏の元、早くもカリフォルニア州内で自動運転のテスト走行をフォード社のリンカーンMKZを使って行う姿が目撃されている。

 ファラデーの特徴は、最初の設立の段階で多くの技術者をテスラから引き抜く、など独自の技術というよりは他のメーカーのエキスパートを寄せ集めている、という点だ。テスラの他BMW、フォードの技術者が初期段階で参加、8月にはGMからプロパルジョン(推進)・エンジニアであるピーター・サバジアン氏を引き抜いた。同氏は1990年代に人気となったGMのEV、EV1のエンジニアで、ファラデーではパワートレイン技術の担当になる予定だ。


新着記事

»もっと見る