NO WOMEN NO FUTURE 女性が拓く新時代

2016年8月26日

»著者プロフィール
青野慶久 Yoshihisa Aono サイボウズ代表取締役社長。1971年生まれ。大阪大学工学部卒業後、松下電工入社。97年にグループウェアなどを手掛けるサイボウズを設立。近著『チームのことだけ、考えた。』(ダイヤモンド社)。

 女性活躍推進法の仕組みとして面白いのは、企業に義務を課している部分が「情報の開示」だけであることだ。女性を活躍させるために行動計画を決め、目標数値を立て、その結果を開示する。義務はこれだけなので、企業にとってはあまり反対する理由もない。しかし、この情報の開示こそが威力を発揮する。女性活躍への対応が遅れた企業は、女性から選ばれなくなってしまう。だから企業は環境を整え、仕組みを変えざるを得なくなる。情報を開示することで多くの問題は自然と解決に向かい、対応できない企業は淘汰されてゆく。

 弊社は12年から社員の副業を認めているが、副業解禁も政府が法律で定めようとすると、当然反対する勢力も出てくるので非常に時間がかかってしまう。だから各社が副業に対してどんなスタンスをとっているのか、実際に年間何人の副業を承認しているのか、どんな副業なら認められるかなど、情報を全部オープンにすればよいのだ。

 新卒採用でも中途採用でも、仕事の中身だけでなく、働き方の実態も重視して、応募者が会社を選ぶ時代に差し掛かっている。

 駒崎 働き方を変えたり、組織を多様化したりすると、業績や売り上げが下がってしまうのではないかという恐怖があり、及び腰になっている企業が多い。ワークライフバランスを整えると優秀な人材が採用でき、なおかつ企業の業績も好調となれば良いですね。

ワーカホリックだった起業時代時短勤務で非効率な働き方に気付く

 --青野社長も、起業した直後はライフ・イズ・ワークといった働き方をしていたと聞いている。

 青野 たしかに毎日、昼も夜も関係なく猛烈に働いていた(笑)。ところが子どもが生まれ、時短勤務をしてみると、子育てと仕事の両立が難しくなり、働き方を変えざるを得なくなった。

 そこで仕事を棚卸ししてみると、自分の非効率な働き方がよくわかった。ボーリングでいえば、時短を取る前は10本のピンを1本ずつ倒そうとしていた。しかし、仕事を効率化するためにはセンターピンだけを倒せば良いのだという当たり前のことに気づいた。

 駒崎 私も2児の父で、現在も毎日定時の18時には退社しているので共感する。結局働いている時間の長さが問題なのではなく、成果を残していれば良いのだ。自分だけでなく、社員をマネジメントするという面でも同じことがいえる。たとえば、在宅勤務をする社員が仕事の合間にテレビを5分間だけ見ているかもしれない。しかし性悪説に立って、何でもかんでも報告を求めるような、規則で縛るマネジメントをすると、逆にその制度を運用するためのコストの方が高くつくと思う。それより成果で社員を評価したほうが良いはずだ。

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