2024年11月23日(土)

WEDGE REPORT

2016年10月21日

 同じ三角が思いがけない機能を果たしているのはBMWのネクストビジョンでも同様だ。シャンパンゴールドのコンセプトカーは未来的なデザインが目を引くが、その一番の特徴はホイールカバーの部分に見られる細かな三角の模様にある。

アライブ・ジオメトリー

 この三角形は「アライブ・ジオメトリー」と呼ばれるものだ。アライブ・ジオメトリーを説明するものとして横に球体が展示されていたが、この球体は三角のパネルを組み合わせて作られたもの。一方から力を加えると、パネル同士がスライドして形を変え、部分的に凹んだり膨らんだりして一つの形を保つ。これがホイール部分に採用されることで、「カーブの際にホイール部分が内側は収縮し、外側は膨らむことで車を傾かせることなく安全にコーナリングが行える」という。

 またフロントウィンドウがスクリーンの役割を果たし、こちらも計器類などの情報が表示される他、例えばナビゲーション、インターネットなど、現在は車内のモニターに表示されているものも全てウィンドウ上に表示される。

 この車には「ブースト」という自分で運転するモードと「イーズ」という自動運転モードが設定されており、タッチパネルでモードを切り替えることができる。ただしブーストモードでもコンパニオンと呼ばれるドライブアシスト機能があり、路上の危険物を避ける、障害物を察知して自動ブレーキをかける、などの安全性をサポートする。

究極のテイラーメイド

 一方、「究極のテイラーメイド」という車のパーソナル化にこだわったのがミニのコンセプトだ。この車には通常のダッシュボードがなく、小さなカメラレンズのようなものがステアリングホイールの横に見られる。これは虹彩認識カメラで、ドライバー個人を特定する。あらかじめ設定しておいたドライバーの好みにより、例えば音楽の選択、車内温度の設定、行き先へのナビゲーションなどが自動的に行われる。

 ミニは現在でも小型車の部類だが、未来のミニはさらに小さい。これは「人口増加と渋滞に対するメーカーとしての返答」なのだという。ミニのネクストビジョンはフルの自動運転モードが設定されている。例えば車を使い、降りれば車は自動的に自宅に戻る。駐車場を求めて苦労する必要がなくなる。車が自分で買い物に行く、あるいはデリバリーを行うことも可能だ。虹彩認識で複数の好みに自動的に合わせられるため、基本的にカーシェアリングを念頭に置いて考えられたコンセプトでもある。


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