世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年11月11日

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 サマーズは、世界の政治・経済双方ともが制御不可能の状況に陥っていることへの不安を指摘、右の根底にあるグローバルな経済停滞から回復するため、保護主義の克服、財政支出拡大によるインフラ建設推進、インフラ建設への国際融資体制の拡充等を提言しています。19世紀以来のリベラリズムの伝統をしっかり踏まえ、戦後世界経済の根本的問題を見据えた上で、骨太な政策論議を展開したものと言えます。

 ただし、彼はこの数年、先進国経済は長期停滞(デフレ)の趨勢にあること、デフレ傾向=低金利の中では財政支出を拡大しても高率インフレにはならないことを指摘してきているので、本件主張は目新しいものではありません。また、彼は、中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)には前向きの発言をしています。

 クリントン政権誕生の暁には、上記提言が幅広く採用される可能性があります。クリントンが選挙演説とは正反対の財政緊縮政策を提唱したスピーチが暴露されていますが、それは、数年も前のものです。

  
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