WEDGE REPORT

2017年1月31日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

海外比率24%

 TOTOは17年度を最終年度とする中期経営計画を掲げているが、それによると海外売上比率を24%にまで引き上げるとしている。麻生執行役員によると「為替の影響はあるが、いまのペースで行けばほぼ達成できると思う」と自信をみせている。市場別の目標は、中国市場が710億円で最高級ブランドの地位を維持しウォシュレットの認知、販売拡大を図る。次が米国市場で同年度400億円、アジア・オセアニアは同360億円、欧州は110億円を目標にしている。

 しかし、トイレは各国の宗教、文化とも関係するので習慣を無視して販売することはできない難しさがある。特にインドネシアなどイスラムには独特の「トイレ文化」があるそうで、普及は簡単ではないという。また欧州ではトイレが設置されるバスルームには電源の場所に制約がある国もあるなど法律上の規制がある。その中で、最近はアジア地域では台湾やベトナムでの売り上げが伸びている。これもインバウンドの好影響とみられ、温水洗浄便座の普及は各国の「トイレ文化」を少しずつ変えてきている。

欧米の高級ホテルで採用

 日本を旅行して温水洗浄便座の良さに感動した中国人やアジア人の中には、ほかの国に旅行した際にホテルで温水洗浄便座が付いた部屋を希望する人もいるという。このため「欧州で新しく建設されるホテルで、中国人が多く泊まるシャングリラなどではウォシュレットがスイートルームなどに入るようになってきた」と指摘する。

 欧州は衛生陶器の強いブランドのメーカーがいるため、苦戦した時期もあったが、16年度は10年度と比較して、ウォシュレットを採用したホテルの件数が12件から5倍の60件に増えるなど、徐々に認知されてきている。それを象徴するようにフランスの高級スキーリゾートホテル「バリエール・レ・ネージュ」の全室に採用されたという。

 米国では昨年9月にニューヨークのマンハッタンにTOTO直営のショールームを移転、増床した。マイアミにできた豪華ホテル「ポルシェタワー」では全室にウォシュレットが入りリッチなイメージになっているそうで、海外の高級ホテルに導入され始めている。

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