3.貯蓄がいくらあるかを確認する
前回、結婚相手を選ぶときには年収や貯蓄だけでなく、お金に対する考え方も大切だとお話しました。ですが、もちろん貯蓄も重要です。できることなら、相手がいくら貯蓄を持っているのかは聞いておくと安心です。
ただし、これは多ければ多いほど良いというわけではありません。多い方が金銭的にはアドバンテージですが、結婚生活をするうえでのゆとりになるかどうかは、全く別問題だからです。
たとえば、年収300万円で一人暮らし、30歳で貯蓄が1000万円の人がいるとしましょう。大卒で就職してからお金を貯めてきたとすると、年に約140万円貯めてきたことになります。単純計算すると、残りの約150万円で毎年生活し、月の生活費は12.5万円と推定されます。先ほどの一人暮らしの生活費の平均と比べて、ずいぶん低いことがわかります。もし、貯蓄が大好きで、生活費を切り詰めて貯蓄をしてきたのであれば、結婚後も倹約して暮らしたいと思っているかもしれません。あるいは、会社の独身寮に住んでいる、実家から仕送りを受け取っているなどで、独身時代にはゆとりがあったために貯蓄できていたとしたら、結婚後にはこうした補助がなくなることもあります。そうすれば、今までのペースで貯蓄を増やしていくことは期待できません。単に相手がたくさん貯蓄を持っているからといって安心するのではなく、結婚後の生活にどう影響するのか、どんな意味を持つのかをよく確認しておきましょう。
お金の話はなかなか切り出しにくいものです。ですが、結婚後の生活を大きく左右する重要な問題です。貯蓄ができていない、借金があるなど気になる点がある場合、結婚後にどうすれば改善できるかを結婚前に2人で話合うことができます。結婚後に知らなかったと喧嘩にならないためにも、今回お伝えした3つのお金については、結婚する前に聞いておくべき大切なことです。いきなり話をするのは難しくても、金銭感覚を観察するところから始めて、少しずつ彼との結婚後のイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
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