こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの加藤梨里です。この連載では、20代~30代のワーキングウーマンの皆さんへの家計相談を通して私が感じた「前向き女性になれる」お金との付き合い方についてお話しています。
前回は、独身時代にお金を使う豊かさについてお話しました。結婚するかどうかわからず、先行き不透明な人生には「漠然とした不安」を覚えがちですが、そればかりに目を向けず、自分の好きなことにお金を使える今を楽しんでみては、とお話しました。
とはいえ、結婚のことを気にせずにいつづけるのは実際には難しいもの。この先ずっとおひとりさまで生きていく現実に直面したら、のんきなこともいっていられないかもしれません。そのリスクを全く無視するわけにもいきません。
そこで第4回の今回は、おひとりさまの不安に対処するお金について考えてみましょう。
人生最悪のシナリオはどれくらい最悪か?
独身女性の家計相談のテーマで多いのが、「もしずっとひとりで生きていくとしたらいくら貯めればよい?」というものです。このことは年齢や、お付き合いをしているパートナーがいるかどうかにかかわらず多くの女性が気にしています。23歳で新社会人になったばかりの女性に聞かれたこともあります。若いうちはそれよりも、素敵な男性を探すのにエネルギーを向けたほうが良いのではと、傍から見れば思うのですが、本人にとっては極めて切実な問題です。
こんなにも多くの女性が「ひとりで生きていくために必要な金額」の答えを知りたがっているのには2つの理由があります。ひとつは「独身のままで生きていくことは自分にとって人生の最悪のシナリオなのか」ともうひとつは「最悪のシナリオの怖さを定量的に把握したい」と思っているこということです。