一昔前に比べて個々の「自信」が意識されるようになっているならば、子育てや人材育成の面でのアプローチも変えていく必要があります。
育てる側が、自分が育てられた時と同じようなアプローチをとってしまうと、時代の変化とずれを生じさせてしまうからです。
このように考えると、自信を持つかどうかは本人次第と片づけるのではなく、親や上司など人を育てる立場にある人は、「自信の育み方」を意識した方が良いと私は考えています。
自信とは本人が育むものではあるけれど、「本人次第」でやっていけるのは80対20の法則でいうところの20%であって、8割の人は周囲のサポートを必要としている。
と考えるからです。
自信とは思い込み
しかし環境や状況がどうであれ、自信を持って行動している人は数多くいます。子どもの時から自信満々という人もいます。
似た環境に置かれているのに、かたや自信満々、かたやいつも不安げといった違いが生まれてくるのはなぜなのでしょうか。
ヒントは子どもたちの姿にあります。
「うちの子、テストで悪い点を取ってきても『大丈夫!次はちゃんとやるから!』とまるで平気なんです。なんなんでしょう、あの根拠のない自信は」
男の子のお母さんに多い相談です。
根拠のない自信。これがポイントです。
自信を持つかどうかに「根拠」は不要なのです。
なぜなら自信とは思い込みだからです。
「自信を持っていいですよ」証明書は、どこからも発行されません。発行できるとしたら、唯一、自分自身だけです。
大きな商談をまとめた。部下から信頼と支持を集めている。高得点を連続して取っている。受験で志望校に合格できた。など、他人が見れば「十分に自信が持てますね」と思える成果を上げていても、それを本人が「自分は大丈夫だ。」「自分はできるんだ。」と受け止めなければ、自信にはつながりません。
逆に、ごく小さな商談で、同僚から見るとさほど評価できない案件だったとしても、それを成功させた本人が「自分はやっていけそうだ」と感じ取るなら、自信につながるのです。
本人の思い込みなのですね。
そして思い込みが強い人ほど自信が崩れません。