2022年11月27日(日)

赤坂英一の野球丸

2017年3月25日

»著者プロフィール

 小久保はダイエー、ソフトバンクでの現役時代から、常にナインの先頭に立ち、人一倍強力なリーダーシップを発揮していたことで知られる。全盛期はソフトバンクのセカンドのレギュラーで、選手会長も務めた本多雄一は以前、小久保と内野を守っていたころを振り返って、こんな話をしていた。

 「ランナーが出てピンチを迎えると、よく内野手がマウンドに行ってピッチャーを励ましますよね。小久保さんは、そのタイミングというか、間の取り方が絶妙なんですよ。ここでピッチャーに一言声をかけてやったら一息つける、そこから立ち直れる、という瞬間を逃さずにマウンドに駆けつける。逆に、いま行ったら逆効果になる、かえってピッチャーのリズムを崩してしまう、というときは絶対に行かない。だからバッテリーも小久保さんには絶大な信頼を置いてるんです」

〝問題児〟を、巨人では外様の小久保が一喝

 一方で、後輩が非常識な振る舞いをしたりしたら、グラウンド外でも容赦なく叱りつけていたものだ。小久保がトレードでダイエーから巨人に移籍して3年目の2006年、宮崎キャンプ中に知人と食事をしていたときのこと。たまたま同じ店に居合わせた後輩の選手が、小久保に挨拶もせずに帰ろうとしたのを見とがめ、「おれがここにいるのは最初からわかってるだろう! いくら力があっても、そういうことがきちんとできないやつはダメだ!」とお灸を据えたのだ。

 この選手は当時、礼儀の面でチーム内でも評判が悪かったが、押しも押されもせぬレギュラーだったため、先輩もコーチも面と向かって注意できない。そんな〝問題児〟を、巨人では外様の小久保が一喝した光景はなかなかの迫力だった。この一件は、私も同じ店の同じフロアにいて、直接目にしたのでいまでもはっきりと覚えている。

 このように選手としては自他ともに認めるチームリーダー、監督としてはいきなり日本代表を率いて健闘した人材となると、小久保のほかにはいない。ファンやマスコミの関心はすでに、小久保退任後の日本代表監督の人選に移っているようだが、NPB(日本野球機構)はぜひ小久保氏の貴重な経験を生かすことも考えてもらいたい。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る