2024年11月25日(月)

シリーズ「東芝メモリを買ってほしいところ、買ってほしくないところ」

2017年4月19日

 さらに、この看板の裏はどうなっているのかというと、荒野が広がっており、遠くの方に重機らしきものが見える(図11)。材料メーカーの知人によれば、2016年11月末に、工場の着工式が開催される予定だったが、12月上旬に延期となった。そして、これも延期されたという。理由は、最大のスポンサーとなる中国国家の役人の都合がつかなかったとのことだ。

 工場の着工式こそ行われなかったが、工場の建設は進み始めているようだ。材料メーカーの知人は、可能な限り建設現場に近づいて(ある所からは立ち入り禁止だったという)、その様子を写真に撮ってくれた(図12)。重機の様子から、工場の基礎となる杭打ちが行われていると思われる。ただし、知人によれば、「ちょっと重機の数が少ないのでは??」ということだ。

 そして、昨年の暮れも押し迫った12月30日、とうとう竣工式が開催された(図13)。既に土地の醸成や杭打ちが始められていたが、それらの重機をすべて掻き集めて一列に並べ、中国国家の役人の祝辞を述べる式典が催された。これから突貫工事で、中国初となる3次元NANDの量産工場が建設されていく。そして、紫光集団が計画している半導体工場は、これだけではなかった。第5回では、中国の半導体事情について詳述する。そこから、紫光集団が東芝メモリを喉から手が出るほど欲しい理由が分かるであろう。


  
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