今回の「障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド」は、社会福祉法人江寿会・アゼリーグループのホームページの管理、運営を担当しているカナダ生まれのグリズデイル・バリージョシュアさんです。
アゼリーグループとは、江戸川区を中心に高齢者介護施設、リハビリテーション施設、保育園など、子どもから高齢者までを対象に、『福祉・教育・医療』の三位一体のサービスを提供している社会福祉法人です。(アゼリーグループのホームページはこちら。このホームページもグリズデイルさんが管理をされています)
初瀬:この企画は、障害を持ちながらも社会で活躍されている人をご紹介して、予期せぬ病気や事故などで障害を負ってしまった方が、その人をロールモデルとして「自分にもできる!」と勇気の一歩を踏み出してもらいたいという意図のもとに行っています。
今回のグリズデイルさんはカナダ生まれで重度の障害を持ちながらも、日本で働き、帰化されたという少し変わった経緯を持っておられます。
私と同い年ということもあって、とても親近感が湧いています。
それでは生まれや障害についてお聞きしたいと思います。
グリズデイル:私はカナダのトロントに生まれました。生後6カ月くらいで高熱を発して、それが障害の原因かもしれないと言われています。脳性麻痺のために両手と両足をあまり動かすことができません。
4歳くらいから電動車椅子を使い始めて、これなしの生活は考えられません。
両親は牧場を経営していて、敷地は広く周りは芝生や土、砂利なので車椅子の生活は動きづらくて大変でした。でも、車椅子がなければどこに行くこともできません。
日本でいう幼稚園から地域の公立学校に通って、通学にはスクールバスを利用していたのですが、通常のコースとは別に車椅子用のバスが家の前に来てくれました。
初瀬:日本では障害者は特別支援学校に通うなど、健常者と分けて教育を受けるケースが多いのですが、カナダの学校はそうした区別はないということですか。
グリズデイル:カナダではそうした区別はありません。みんないっしょに学んで、その中で授業についていくのが難しい場合だけ、別の教室で学んだりすることはあります。
カナダには日本のような受験がありませんので、みんな家に近い高校に通います。小学校は8年間で、その後、高校に通います。
初瀬:知的障害の子たちには別のカリキュラムがあっても、グリズデイルさんみたいに学力に問題のない子はみんなと同じように学ぶということですね。同じ学校の中で、学力によって分けられている。柔軟な考え方ですね。