*******
初瀬:現在の仕事内容について聞かせてください。
グリズデイル:アゼリーグループは高齢者介護施設をはじめ、デイサービスのリハビリテーション施設、保育園などを運営する、利用者の総数1050名の社会福祉法人ですが、施設ごとにホームページを持っていますので、現在私は江寿会で3つ、その他同グループで10以上のホームページを管理しています。
デザイン以外の基本的な情報に関してはすべて私が管理をしています。
初瀬:高齢者介護施設だから内部は全てバリアフリー化されているので、職場環境としては最適ですね。障害のある人が自然に働けるって素晴らしいことです。
また仕事とは別に外国人向けに旅行関係のサイトを開いているとお聞きしているのですが、具体的にはどのような情報を発信されているのでしょう。
グリズデイル:日本はバリアフリー化が進んでいるにもかかわらず、海外ではあまり知られていません。車椅子の利用についても英語の情報が少ないんです。
日本に来たいと思っている外国人が、どんな壁にぶつかっているのだろうと思って、いろいろ英語で検索してみると、あまりに情報が少ないことに気付きました。日本語ではたくさん情報が載っているのにとても残念です。それで「ACCESSIBLE JAPAN」というHPを立ち上げました。
私が観光に行ったところをブログに掲載しているんです。たとえば電車に乗るときは、駅員さんにお願いすれば対応してくれますよ、駅のここにスロープがありますよ、こっちにはエレベーターがありますよとか、載せているんです。
これは私の趣味であり、社会貢献のひとつだと思っていますし、パイオニアとしての役割です。おかげで、最近は日本に来たいという外国人からメールをもらうようになりました。
初瀬:大切な役割を果たしているんですね。日本に来たいと思っている外国人、特に車椅子を利用している人たちにはありがたい情報で、グリズデイルさんが当事者だからこそ信頼がありますし、貴重な情報発信になっていると思います。
最後になりますがグリズデイルさんの夢をお聞かせください。
グリズデイル:私の夢は日本人として日本に住むことです。日本人として社会に参加して、自分の持っているものをすべて使って人や社会の役に立ちたいというのが私の夢です。
初瀬:日本は2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、いろいろなものが変わりつつあります。私も日本は住みやすいと思っています。しかし、その便利さや良さはあまり伝わっていないように感じています。
ですがグリズデイルさんのお話を聞いて、日本の良いところを再認識することができましたし、誇りに思えるようになりました。
貴重なお話をありがとうございました。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。