Washington Files
長年に渡りワシントンに駐在してきた読売新聞の元アメリカ総局長の筆者が、ワシントンで何が報じられ、関心が持たれているのか解説する。(写真クレジット:iStock.com/flySnow/Purestock)
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2019/09/09 斎藤 彰
北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)に続き、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の本格開発に着手している。実戦配備にこぎつければ、アメリカが日本など同盟諸国に提供する「核の傘」を動揺させるのみか、米本土への直接脅威が現実のものとなり、従来…
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2019/09/02 斎藤 彰
はるけき祖国の政治にどう向き合うか―トランプ米共和党政権とネタニヤフ・イスラエル政権の蜜月関係が進む中、530万人の在米ユダヤ人社会がその対応巡り、伝統的支持派と、リベラル派との間で揺れ動いている。
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2019/08/26 斎藤 彰
「株主最優先」を社是としてきた米大企業の経営者たちの間で、過去の経営理念を見直し、これまで以上に従業員への利益還元や社会貢献を重視する“覚醒”の動きが出始めた。名だたる億万長者たちも所得格差是正のための「富裕税」新設の重要性を訴えており、…
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2019/08/19 斎藤 彰
米国史を通じ最高指導者にとくに求められてきた資質のひとつに「humility」が挙げられる。「謙遜」、「自己卑下」、「謙虚」などと訳されており、歴代の大統領就任演説、米議会で読み上げる年頭教書などでもその重要性がしばしば力説されてきた。だ…
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2019/08/12 斎藤 彰
米国、ロシア間の中距離核戦力(INF)全廃条約がトランプ政権の一方的離脱をきっかけに去る2日、失効した。今後、欧州のみならずアジアを舞台に、中国をも巻き込んだ3か国の軍拡レースに発展する恐れがある。わが国は北朝鮮の核脅威に加え、安全保障政…
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2019/08/05 斎藤 彰
トランプ政権が主要国に呼びかけてきた対イラン「有志連合」構想について、ポンペオ国務長官が「時間がかかる」と述べ、結成が難航していることを公式に認めた。中国、ロシアの反対に加え、日本はじめ欧州同盟諸国も参加に消極または慎重姿勢を取り続けてお…
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2019/07/29 斎藤 彰
軍事対決か、それとも「戦争回避」作戦か―。自らのイラン核合意離脱が招いた国際危機対応めぐり、トランプ政権が苦悶している。一方、イギリスはホルムズ海峡でのタンカー安全航行確保めざし、アメリカ除く欧州諸国との「海上保護派遣団」結成に向け新たな…
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2019/07/22 斎藤 彰
「アメリカ・ファースト」の掛け声でスタートしたトランプ政権の“孤立主義外交”が、見直しを迫られている。最近の米―イラン関係の深刻化にともなう「有志連合」結成呼びかけがその一例だが、アメリカ単独では対応しきれないグローバル化時代の難題に直面…
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2019/07/16 斎藤 彰
全米学生が抱え込んだローン(student loan)総額が1兆6000億ドル(約160兆円)という空前規模にまで膨れ上がり、返済免除措置の是非めぐり、来年大統領選の民主党有力候補の間で大きな争点となっている。
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2019/07/08 斎藤 彰
先のG20大阪サミットの場で行われた米中首脳会談は、習近平国家主席にとってほぼ満足に近い結果となった。対するトランプ大統領は、最大の懸案貿易問題で譲歩を余儀なくされた。その背景を子細に分析すると―。
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2019/07/01 斎藤 彰
タンカー攻撃、米軍無人機撃墜とイラン側の挑発が続く中で、トランプ大統領の対応が揺れ動いている。果たしてアメリカは、かつての対イラク戦争のようにイランへの本格的な軍事行動に踏み切れるのか―。米専門家の多くの見方は否定的だ。背景には、対イラク…
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2019/06/24 斎藤 彰
トランプ大統領が就任以来、国民向けに約束してきた道路、港湾、空港などの大規模インフラ整備計画が、ここにきて頓挫している。数兆ドル規模の巨額インフラ投資が実施されれば、日本はじめ外国企業もそのおこぼれにあずかれるはずだったのだが……一体何が…
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2019/06/17 斎藤 彰
米下院本会議における2020会計年度政府関連歳出法案審議が、大詰めの段階で暗礁に乗り上げている。議員報酬の改定(引き上げ)めぐり、来年議会選挙で有権者の反発を恐れる新人議員たちが異議を唱えているためだ。日本の国会議員とくらべ、連邦議員の待…
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2019/06/10 斎藤 彰
大都市の電気、ガス、水道、交通、インターネットなどのインフラが一瞬にして破壊される新たな軍事的脅威にいかに備えるか―日米両国はこのほど、防衛相会談で、そのための情報交換や抑止力向上などの面で共同対処していく方針を確認した。
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米主要メディアは「トランプ訪日」をどう見たか
2019/06/03 斎藤 彰令和新時代の最初の国賓として来日したトランプ大統領夫妻は、新天皇との初会見、大相撲観戦、海上自衛隊護衛艦乗艦など日本中に大きな話題をふりまき、28日、帰国の途に就いた。だが、米メディアによると、大統領は東京滞在中、次期大統領選のライバル候…
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2019/05/28 斎藤 彰
実業家時代から“ビッグ・ディール”を売り物にしてきたトランプ大統領。だが、ここにきてエスカレートする対中国貿易戦争、対イラン情勢の緊迫化、対北朝鮮対話の停滞、南米ベネズエラ情勢の混迷など、いずれも外交面での次の一手で決定打を欠き、今後の対…
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2019/05/20 斎藤 彰
かつては分厚い氷で人を寄せ付けなかった北極海が今、温暖化による氷解が進み、海底に眠る豊富な資源の存在に世界の熱い視線が集まってきている。その中でもめだつのが、開発と覇権めぐり火花を散らし始めた米中ロ3大国の存在だ。
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2019/05/13 斎藤 彰
今後の対中関係を史上初の「非白人国との対決」ととらえ、“文明の衝突”に見立てた米国務省高官の発言が、内外で大きな波紋を広げている。
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2019/05/07 斎藤 彰
莫大なロシア・マネーに続き、サウジアラビアによるトランプ・ファミリー・ビジネスへの露骨な金融支援ぶりが、米国で論議の的になっている。米議会調査委員会はとくに、トランプ政権発足以来の中東政策がサウジ・マネーによって左右されてきた可能性に着目…
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2019/04/29 斎藤 彰
「自分の身の潔白は証明された。捜査は魔女狩りだった」―モラー特別検察官報告書による告発を逃れ意気揚々のトランプ大統領に対し、今度は、実業家として活躍した当時の不明朗な外国資金、とくに巨額のロシア・マネーの流れを究明する米議会の動きが本格化…
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