「夏休みに、子どもと楽しめる近場の良いスポットはないだろうか…」と頭を抱えているお父さん・お母さんに、親子で楽しむ都内の展覧会を全3回でご紹介。第1回目の『トリック・アートの世界展』に続いて、第2回目は東京・お台場にある、『日本科学未来館』。開催中の『ドラえもんの科学みらい展』は、ドラえもんのひみつ道具を、現代の科学の力を使って実現するという、楽しみながら科学を学ぶことができる体験型展覧会だ。
大人から子どもまで、幅広い世代に知られるドラえもん。四次元ポケットからいろいろなひみつ道具を取り出して、何をやってもダメなのび太を助けてくれる。
そこにあるのは、「できないことをできるようにする」「楽しい想像の世界を実現する」という発想だ。それは、多くの科学者たちがめざしてきたことでもある。
「透明マント」に「タケコプター」
ひみつ道具の夢がかなった
日本科学未来館で開催中の「ドラえもんの科学みらい展」は、いまの科学技術をひみつ道具の夢と重ね合わせ、先端科学の知見を紹介するという趣向の展覧会。開始以来連日盛況で、現時点で12万人ほどの来場者があったという。
本展の会場構成はこうだ。各所にドラえもんのひみつ道具の解説があり、そこにはその道具を実現化した展示品が置いてある。展示品は、科学研究に携わる研究者たちの成果を用いて道具を模したものとなっている。
取材に行った8月のはじめ、会場はたくさんの子ども連れでにぎわっていた。
「パパ、透明マントだって! あれ着てみてもいい?」「葉っぱに『こんにちは』って言ったらおじぎした!」
ほとんどの展示品には触れることができ、体験型の展覧会になっている。著作権のうるさい絵画展と違い、場内撮影もできる。会場はほどよく広いワンフロアだから、迷子になる心配もなさそうだ。
先端科学が応用された展示
次ページの写真は、展示品のひとつ、纏えば透明人間になれるという「透明マント」を実現化したもの。展示品の透明マントをかぶってみれば、不思議なことに、背後の風景が透けて透明人間になってしまう。
いったいなぜ、こんなことが可能なんだろう?