日本人僧侶の活躍
レーの町の西方の高台にジャパニーズ・テンプルと呼ばれている大きな仏塔がある。多くの内外旅行客が訪れる観光名所になっている。この仏塔は30年ほど前に当時30歳前後の若い日本人僧侶の活躍で建てられたという。
日本山妙法寺は日蓮宗系の宗教法人のようである。ミキさんによるとこの若い僧侶は“やり手”で、インドの複雑なお役所組織を説き伏せて、地方政府・陸軍・地元住民の協力を取り付けて、日本の教団から建設資金を得て仏塔を建設したようである。
8月12日。ティクセーパレスのゴンパ(チベット仏教寺院)で欧米人の一行が熱心に祈っていた。聞いてみたらバルト海のエストニアの仏教徒という。一行は39人でツアーを組んでラダック地方を巡礼しているという。
全員がキリスト教から仏教に改宗したという。エストニアには仏教寺院がないので将来仏教寺院を建立したいと話していた。時間がなく余り話せず残念であった。一体どのような動機でキリスト教から改宗することになったのだろうか。
8月16日。下ラダック地方のアルチ村はインダス河源流の畔に位置する。11世紀に創建されたアルチ・チョコスル・ゴンパの仏教壁画で知られている。ちなみに三層のお堂の壁画が最も古く有名であるが、このお堂の円柱は柱身の中央部が膨れている古代ギリシア建築様式のエンタシスである。アレクサンダー大王の大遠征でもたらされたヘレニズム文化が伝承されたのであろうか。
アルチのゲストハウスのオーナーの弟が隣の部落から遊びに来た。私が日本人と知ると「創価学会は素晴らしい。この地方には数百人の信者がいます。池田大作は偉大なる宗教家です」と絶賛した。彼らは創価学会の教えのどこに惹かれたのだろうか。
⇒第24回に続く
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