World Energy Watch

2018年1月9日

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日本にも影響が

 2017年の中国の天然ガス需要は、前年比17%増になったとの予測が出ているが、天然ガス供給は、48億から113億㎥程度不足しているとされている。中国の年間の需要量は2000億㎥なので、相当大きな量が不足していることになる。供給がタイトな状態になれば、価格も上昇する。2017年10月の中国の液化天然ガス(LNG)輸入量は、前年同月比約2倍となり、歴代2位、11月には月として最高の輸入量を記録したが、11月時点では価格は前年同期比35%上昇した。

 日本向けLNGのスポット価格は中国向けとほぼ同じレベルにある。図-4が示す通りだ。中国のLNG輸入の影響を日本も受けるということだが、日本の影響も中国は受けるのでお互いさまとも言える。ただ、中国の天然ガス需要は図-5が示す通り、5年でほぼ倍になるほど急増している。2030年には今の3倍の6000億㎥になると予測されている。日本を追い越し世界一のLNG輸入国になるのは確実だ。自国の政策が他国の経済に与える影響も考え、中国にはエネルギー政策を多面的な側面から考えて欲しい。環境問題に焦点を当てるあまり、供給と価格を考慮しなかった結果、国民が凍え、企業は操業中断をやむなくされたように思えるが、他国もその影響を受けている。

日本が学ぶべきことは

 中国の教訓は、エネルギー問題では、供給の安定性、価格、環境、これらの点を全て良く考えて政策を進める必要があることを教えてくれる。環境にだけ焦点を当てて政策を進めても、エネルギー供給が不安定になり価格が上昇しては、最終的な目的、持続可能な社会に寄与するエネルギー政策を達成することは出来ない。

 環境に取り組むことだけが、持続可能な社会を作る訳ではなく、安定的に供給される競争力のあるエネルギーがなければ、国民生活も産業活動も持続可能ではなくなる。日本は中国を他山の石とし、理性的な政策で持続可能な社会を作ることができる筈だ。

  
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