「春運」とは中国の春節(旧正月)前後の帰省ラッシュとUターンラッシュを指す。今年は2月16日が春節で、帰省のための鉄道のチケットが今月初旬に発売された。大学受験よりも厳しいとされるチケット争奪戦が鉄道部にダフ屋、スマホメーカーまで巻き込んで繰り広げられている。
ダフ屋が高度なIT技術集団に
今年の春運は2月1日から3月12日まで。期間中、中国国内の旅客輸送量は延べ29億8000万人になると国家発展改革委員会は予測している(http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1940767)。この規模自体は2017年とほぼ同じなのだが、交通手段の中でも鉄道と旅客機の利用は大きく伸びている。鉄道は前年比8.8%増の3.89億人が利用し、旅客機は同10%増の6500万人が利用すると見込まれている。
短期間に途方もない人数が移動することになるため、春運は昔から混乱を極めてきた。特に利用人数が多く、かつ年々利用者が増えている鉄道のチケット入手の困難ぶりは、日本の帰省ラッシュの比ではない。
春運初日の2月1日のチケットが1月3日に発売となったが、人気のある路線は発売から数分、ひどい場合は1分に満たない時間で売り切れてしまった。一昔前なら発券所の長蛇の列に並んで買い求めていたが、今は鉄道部のチケット販売公式サイトなど、インターネット上で購入するのが主流になっていて、いかに1秒でも早く購入の手続きを進め「秒殺」するかが勝負のカギを握る。
問題は、肝心の鉄道部の公式サイトが使いにくいこと。中でも2015年に出現し、チケット購入の妨げになると悪名高かったのが、画像を使った確認コードだ。いくつもある画像の中から題目に該当するものを選ぶというもので、なりすまし防止に有効。ただ、画像が粗くて正しいものを選べない、題目が意味不明で画像が読み取れても正しく回答できないと散々な評判だった。その確認コードが8割以上不要になり、チケットが買いやすくなると伝えられている(http://news.ifeng.com/a/20180107/54901648_0.shtml)。