2024年12月3日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年3月26日

 モンテネグロは、昨年6月にNATOに加盟した最も新しいNATO加盟国である。2月27日、ペンタゴンにおいて、モンテネグロのボシュコビッチ国防相とマティス米国防長官が会談し、マティス長官はモンテネグロのNATO加盟を歓迎するとともにロシアの脅威を強調した。マティス長官の発言の要旨は次の通り。

(iStock.com/ikryannikovgmailcom/Anastasiia_M)

 モンテネグロが2006年に独立を回復して以来、両国は、民主主義に基づく共通の価値に支えられ、着実に軍事関係を強化してきた。

 昨年6月の貴国のNATO加盟セレモニーでストルテンベルグ事務総長が述べた通り、NATOは「価値の共同体」であり、貴国は「共同体の不可欠の構成要素」となった。我々の大西洋同盟を再強化してくれることになろう。

 米国は、貴国を同盟国と呼ぶことを誇りに思う。我々は、他のNATO加盟諸国とともに共通の安全保障上の脅威、例えば、武力により国境線を書き換えたり、欧州の外交・経済・安全保障上の決定に拒否権を行使しようとしているロシアによる脅威に、肩を携えて立ち向かっている。こうした脅威に直面し、米国は、ロシアに国際的約束の文言と精神の双方を尊重するよう働きかけ続ける。

 我々は、2024年までに防衛支出をGDP比2%にするとのモンテネグロの計画に感謝する。これは、防衛負担の分担であり、我々の軍を時代に合ったものとし続けてくれる。

 我々は、アフガンにおける任務への兵士を増やすというモンテネグロの約束にも感謝する。貴国の陸軍の兵士の25%以上が16の異なるローテーションを通じてアフガンで任務に就いていることを認識しなければならない。約200年前の詩人アルフレッド・テニソンによるモンテネグロについての言葉は今でも真実である。すなわち、モンテネグロの兵士より「力強い登山家」、勇敢な兵士はいない。

出典:‘Remarks at a Bilateral Meeting with Montenegrin Minister of Defense Boskovic’, James Mattis, The Pentagon, February 27, 2018 )


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