2024年11月21日(木)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年4月3日

糖質制限と脂質制限とに「減量効果の差」はない

これは何も「糖質制限ダイエット」だけに限ったことではない。
「油脂を制限する」という脂質制限ダイエットでも同じことがいえる。
つまり、脂質を減らしても、そのぶんだけ他の栄養素が増えれば体重は減らない。
そしてやはり、PFCバランスが偏るので、健康を崩すリスクは高くなる。

糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットのどちらが効果的かを、多くのデータを比較・検討した学術研究がある【※2】。
科学的にかなり信頼性の高い研究だが、これによると「糖質制限と脂質制限による減量効果に大きな差はない」となっている。
体重が減るかどうかは、「何を制限するか」ではなく、「トータルの摂取カロリーと消費カロリーの差」によって決まる、としごくまともな結論になっている。

こう見てくると、「いくら減らしてもPFCバランスが崩れないもの」はアルコールだけである。
糖質制限もだめ脂質制限もだめ、いいのはアルコール制限だけ・・・・なんとも味気ない結論になりそうだ。
しかし、諦めるのはまだ早い。

【※2】
『佐々木敏の栄養データはこう読む!』(女子栄養大学出版部発行)p237~247

あれもダメこれもダメ・・・・じゃどうすればいいんだ!?とお嘆きのビジネスパーソンへ朗報。
同じ研究で、「糖質制限・脂質制限にかかわらず、ダイエットを始めると(いずれの方法でも)少しだけ体重は減る」ということもわかったのだ。
どうやら、ヒトというものは「あるダイエット法を始めると、それ以外のことでも体重を減らす行動をとる」ようなのだ。

ということは、もし体重を減らしたいなら、糖質制限だろうが脂質制限だろうが「とにかく始める」ことが重要である。

まずは「記録すること」から始めよう!

ここからは私の見解だが、「自分が本当にダイエットに取り組めているかどうか」は自分ではなかなかわからない。
それを客観的に知る確実な方法は「記録する」こと。
まずは、自分が飲食した物を「確実に記録すること」から始めよう。

昔なら「記録する」ためには、手帳を持ち歩いたり、寝る前にすべてを思い出して書き留めたりするなど、けっこう面倒なことであった。
でも、今は事情が異なる。
食事のたびにスマホに記録すればいい。

最も簡単なのは写真撮影。
“インスタ映え”など考えず、「撮影もれ(デザートなど)」のないようにすることが大事。
あるいは、ダイアリーやメモアプリを使う。
慣れてきたら「何を」と「どれだけ」を記録したい。

【例】
○月○日 朝 トースト(8枚切り1枚)、ジャム(1さじ)、ゆで卵(1つ)、野菜ジュース(350g)

最初のうちは「何を」だけでよい。
つまり( )の中は不要。
慣れてきたら「どれだけ(つまり量)」も記録しよう。
「記録をとるだけで痩せる」という研究もあるほどだから、きょうからさっそく始めよう!

  
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