CES期間中に開催されたショー・ストッパーというスタートアップ企業を集めたイベントで、ちょっと面白いテクノロジーに出会った。女性のブラジャーのサイズを正確に計測するデバイスの入った下着、である。
フロリダ州の女性起業家が創業したSomaというブラジャーの通販会社が、「より正確に女性の胸のサイズを計測し、体にフィットした下着を身につけることで女性にパワーと活力を与えたい」と発案したものだ。
女性にとって共通の悩みとも言えるのが「ぴったりと体にフィットしたブラジャーを見つけること」である。下着専門店に行けばフィッターがいて計測をしてくれるが、女性同士とはいえ裸になって胸のトップとアンダーをメジャーで測られる、というのは人によっては抵抗がある。これが嫌で適当なサイズを買い、結局体のラインを崩すような体に合わないブラジャーをつけている女性というのは意外に多いものだ。
Somaが開発したSomaINNOFITという製品は、スポーツブラのような形状のものに4本のワイヤーが通されている。着用するとこのワイヤーが締まり、体にフィットしたところで数値を背中にあるコミュニケーションデバイスからスマホやタブレットのアプリに送信する。Somaの製品であればタブレットなどに「あなたにぴったりサイズのブラジャーはこれ」というリストが表示できる。
INNOFITの使い方として、これを顧客が購入すれば常に自分の正しいブラジャーサイズを把握できる。太っても痩せてもセンサーがきちんと計測してくれるためだ。そのサイズに合わせて通販でブラジャーなどの下着を買えば、サイズが合わなくて失敗、というのが防げる。
また小売店に常備すれば、顧客にまずこれを着用してもらい、顧客の正しいサイズが把握できるため、店として商品を勧めることが楽になる。何度も試着を繰り返し、「これは少しきつい、これはブカブカ」という顧客の要望を聞きながら違うサイズの商品を次々に差し出す必要がなくなるのだ。
でもこれ、筆者のように全く胸のない人でも利用可能なのだろうか。計測不可、なんて結果が出たら恥ずかしいのでは? そう聞くと「32A(日本だと65Aくらいに相当)から計測できるから大丈夫よ!」との答えが返ってきた。一見大きそうに見えるが、ワイヤーが締まってみるみる小さくなるそうだ。上はかなり大きめの人でも対応できるという。