2024年11月23日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2019年2月12日

米中貿易戦争の最終決着はいつか?

 トランプ大統領は、メキシコとの「国境の壁」建設費、支持率低下及びロシア疑惑の追及など国内問題に直面しています。従って一般教書演説で、米朝・米中ダブル首脳会談の日程と開催地を発表できれば、外交政策で効果的なアピールができたかもしれません。

 期待されていたダブル首脳会談の可能性は低くなっています。各メディアは、中国政府の国有企業に対する補助金の見直し及び米企業へのサイバー窃盗の問題で、両国の溝が埋まっていないと報じています。

 ただ、仮に米中首脳会談が開催されても、中国との貿易戦争の最終決着に行きつくことはないでしょう。というのは、以前触れましたが、トランプ大統領は米ニューヨーク・タイムズ紙とのインタビューで、「たとえ中国と通商協議で合意しても、中国製品に対する関税は継続する。関税なしには中国とは交渉ができない」と答えているからです。

 さらに、トランプ大統領は米中貿易戦争を2020年米大統領選挙の「選挙材料」として利用するからです。ここで最終決着をしてしまうのは、あまりにも早すぎます。同大統領は再選の選挙と米中貿易戦争を並行させて進めていくでしょう。

 結局、トランプ大統領は、支持率やライバルの民主党候補の動きをみて、どこかの時点で米中貿易戦争に対する「勝利宣言」を支持者向けに行うでしょう。

  
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