民主党の大統領候補トップ人気に
そのオルーク氏は11日のアンチ・トランプ市民集会で「ベトを大統領に!」「いますぐに立候補正式表明を!」といった会場からの熱烈なラブ・コールで演説を何度も遮られる場面もしばしばあり、本人はそのつど「ありがとう」と手を振って応えたが、肝心の出馬意思については「皆さんの気持ちはよくわかっている」と答えるにとどまり、確答を避けた。
ただ、今月初めニューヨークで、人気TV司会者のオプラ・ウインフリーさんの番組に出演した際には、「2月中に(立候補の有無について)正式発表する」と公約したのに加え、エルパソ大集会終了後の14日からは、自ら運転する自家用車に乗り込み、ウイスコンシン州マディソン、ミルウォーキー、さらにイリノイ州シカゴで予定されている大学キャンパスでの演説会出席のための“行脚ドライブ”に出発した。いずれの都市も、大統領選のカギを握る中西部の主要都市であるところから、「すでに(出馬に向けて)彼の胸の内は決まっている」との観測も高まっている。
全国紙USAツデーが昨年12月中旬、有権者意識調査を下に報じたところによると、2020年大統領選で予想される多くの民主党候補の名前が挙がる中で、オルーク氏がジョー・バイデン元副大統領を追い越し人気のトップに躍り出たという。同年10月のCNN調査ではバイデン氏が最有力視されていたが、その後、オルーク氏支持者が増えつつあることを示している。
壁建設をめぐっては、米議会での必要予算獲得に失敗したトランプ大統領が15日、すでに計上済みの政府予算の中から費用をねん出させるため、「国家非常事態宣言」を発令した。野党民主党はこれに激しく反発しており、その是非をめぐり今後、法廷論争に発展する可能性も濃厚になりつつある。
オルーク氏がもし出馬表明し、さらに来年2月からスタートする大統領選の予備選をへて最終的に民主党指名候補となった場合、11月の本選に向けてトランプ大統領との間で、改めて壁問題をめぐるさらに激しい舌戦が展開されることも想定される。
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