和歌山を本拠地に日本国内に3社、中国、香港に1社ずつ、合計5社の経営に携わる、glafit社の鳴海禎造さん38歳。電動バイクを作るべく、2017年5月に目標額300万円でプロジェクトを開始したクラウドファンディングが、3時間で目標金額を達成。その2カ月後には目標の4000%を越える1億2800万円と国内最高額となりました。このプロジェクトの概要から、15歳からビジネスに目覚め現在24年目となる遍歴を今回お伝えしたいと思います。
glafitの電動バイクが狙った市場
「既存の電動バイクを自分が乗るか?」と自問したとき、鳴海さんは、「全く欲しいと思わない」と感じたとうです。でも、全てがNGというわけではない。
必ず「欲しい」があるはず。そこでたどり着いたのが「ハイブリッド・バイク」でした。
バイクの市場でない市場はどこだろうかと考えたとき、「自転車以上バイク未満」のマーケットの存在に気が付きました。
- 都会、地方で車で出かけた先で、楽しく遊べる折りたたみ小型バイク。ラストワンマイルを満たせる。
- 飲み会にバイクで行く、帰りに折りたたんでタクシーで帰る。
- 都会で車を持てない層の開拓、しかもバイクほど置き場所に困らず可愛い、おしゃれ感がある。
アイデアを実現するために立ちはだかったのが、「資金難」でした。モノづくりには付き物、折角見えてきた欲しいモノを諦めるか? どこにリスクが潜んでいる(作って売れないというリスク?)。世間に問いかける良い方法は? 世間とは何人? 世間にどうしたら知ってもらえる?
その解決としてクラウドファンディングこそが有益と判断し、チャレンジすることになりました。すると、プロジェクトを開始3時間で目標達成、2カ月で4266%である1億2800万円を達成しました。2017年9月にこのプロジェクトを法人化、glafit社が誕生しました。発売から現在約3000台、売上規模3.5億円となっています。
今年の1月24日には大手モビリティメーカーであるYAMAHAとの資本業務提携も発表しました。これはともすれば競合となりうるところ、両社の理念が親しいこと、双方の知見を活かしやすく、次世代モビリティ、新しい製品とマーケットを創造していく意味での提携だそうです。