海野素央の Love Trumps Hate

2019年2月25日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

神経質になるトランプ

 トランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が、首脳会談と同日の27日(現地時間)に、下院監視・政府改革委員会で証言を行います。コーエン被告は、「私のストーリーを米国民に聞いてもらうのを楽しみにしている」と、自身のツイッターに投稿しました。私のストーリーとは、もちろんモスクワのトランプタワー建設計画を含んだロシア疑惑及びトランプ一族が経営する「トランプ・オーガニゼーション」のビジネス取引に関するトランプ大統領とのやり取りです。

 米国民は2回目の米朝首脳会談の合意内容よりも、コーエン被告からロシア疑惑について「爆弾発言」が飛び出すことを期待しているでしょう。極めて好ましくない状況が、トランプ大統領を待ち受けているのかもしれません。

 そこで、トランプ大統領はウィリアム・バー米司法長官にロシア疑惑の捜査終結宣言を行うように圧力をかけているといわれています。この件に関する記者団の質問に、「終結宣言を出すか否かは彼(バー氏)次第だ」と述べて、宣言に対する関与を否定しました。

 さらに、コーエン被告の公聴会に関しては「関心がない」と語りました。しかし、この発言を額面通りに受け止めることは到底できません。

 コーエン被告の公聴会の前に、バー長官にロシア疑惑捜査の終結宣言をさせたいのが、トランプ大統領の本音でしょう。仮にバー長官が宣言をすれば、コーエン被告の公聴会開催の意義が薄れ、米朝首脳会談への注目度が上がるからです。

 逆に、バー長官が捜査の終結宣言を行わなかった場合、トランプ大統領は米朝首脳会談で歴史的な成果を出して、米国民の目先をコーエン被告の公聴会から首脳会談に変えなければなりません。

 要するに、トランプ大統領にとって、2回目の米朝首脳会談はコーエン被告の公聴会及びロシア疑惑捜査の終結宣言と密接に関係があるわけです。

 トランプ大統領はコーエン被告の証言が、米朝首脳会談に影響を及ぼさないように、必死に対策を講じています。裏返せば、米朝首脳会談と同日に行われるコーエン被告の公聴会での証言内容に、かなり神経質になっているということです。

  
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