2024年4月20日(土)

Washington Files

2019年4月22日

1日当たり約52万ドルというハイペースで後を追うオルーク

 これに対し、トランプ再選阻止をめざす民主党候補だが、トップを走るのがバーニー・サンダース上院議員で、集金対象の今年第1四半期に約1820万ドルを集めた。これに続く2位はカマラ・ハリス上院議員(約1200万ドル)、3位ベト・オルーク前下院議員(約940万ドル)、4位ブティジェッジ・サウスベンド市長(約710万ドル)、5位ウォーレン上院議員(約600ドル)の順となっている。

 このほか、正式出馬表明すればトランプ大統領にとって手ごわい相手になるとみられるバイデン前副大統領は、まだ選挙管理委員会に届けていないため、集金状況は不明だ。

 これまで出馬表明した民主党候補の資金集めで注目されるのが、何といってもまだ46歳の若手ホープ、オルーク氏の動きだ。

 今のところ集金レースでは3位にとどまっているものの、他の候補にくらべ出馬表明が遅かったため、第1四半期でもわずか18日間での実績であり、1日当たりに直すと約52万ドルというハイペースで後を追う展開となっている。

 これに対し、他の候補の場合、上記の資金集めに要した日数は、サンダース氏41日、ハリス氏70日、ブティジェッジ氏68日などとなっている。

 また、オルーク選対本部の説明によると、これまでの同候補への献金者は21万8000人で、一口当たり平均43ドルという小口献金からなっており、その大半がオンラインによるものだという。

 オルーク氏本人も、トランプ氏との違いを浮き彫りにするため、大企業などからの大口献金に頼らず、草の根の多くの市民ネットワークを軸に資金集めに乗り出すことを公約しており「ツイッター、フェイスブックなどをフル活用し過去の大統領選で例を見ない大がかりな全米市民支援組織づくりをめざす」と意気込んでいる。

 ただ、昨年11月中間選挙の上院選(テキサス州)に出馬、共和党の現職候補を上回る、ネットによる史上空前規模の資金集めで話題となった時と異なり、今回は予備選段階で何人もの同じ民主党候補間で指名を争うことになるため、“共食い”を避け今後どこまで資金ネットワークを新たに開発できるかが、ひとつの重要な試金石となりそうだ。

 一方、トランプ大統領にとっては、今のところ資金集めで先頭を走っているものの、党大会で最終的に民主党候補が一人にしぼりこまれる来年夏以降、11月投票日に向けて一騎打ちとなった場合、民主党が資金集めのみならず、インターネットをフル活用した「メディアただのり露出」攻勢を集中的にかけてくることが予想されるだけに、厳しい戦いを強いられることになる。

  
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