2022年7月6日(水)

World Energy Watch

2019年5月8日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

広がる行動

 

 この行動は大きな広がりを見せているが、彼女も様々な場で発信を続けている。1月のダボス会議には32時間列車に揺られ参加し、ホテルではなく零下12度の屋外のテントで宿泊している。「一部の人たち、企業、政策決定者は、想像できない多額のお金を作るためお金には代えられないものを犠牲にしてきたことを正に知っている。この部屋にいる多くの人たちはそちら側だと思う」と世界のリーダーを前にスピーチしている。

 彼女の行動に触発されたのは、生徒、学生ばかりではない。英国では「絶滅に抵抗」(略称XR)が昨年10月発足した。気候変動による絶滅を防ぐことが目的とし平和的不服従運動を進めるとしている。

 

 世界の多くの地に広まり、XRによると日本でも東京と京都にグループがあるようだ。今年4月15日からは世界各地で不服従運動を開始するとし、33カ国80都市で実行されたが、その中心となったロンドンでは大混乱が発生した。

 ロンドン中心部のオックスフォード・サーカス、ウォータールー橋、鉄道駅などで、道路を塞ぐ、客車の上によじ登る、接着剤で客車あるいはフェンスに体を貼り付けるなどの交通妨害を行った。

 4月21日、運動の中心となっているマーブルアーチにトゥーンベリが現れスピーチを行っている。行動は4月26日に終結したが、ロンドンでの逮捕者は1088名と発表されている。

 英国の環境大臣も彼女の行動を支持するなど多くの政治家にも支持の広がりがあるが、テリーザ・メイ英首相は、トゥーンベリの行動を評価していないようだ。2月に首相の広報官は英国で行われた学校ストライキを批判している。

 「ボイコットにより教員の仕事量は増加しているし、教員が時間を掛け用意した授業時間を無駄にしている」。議会でトゥーンベリの訪英が紹介された際にはメイ首相は歓迎と答えているが、英国議事堂に招かれ昼食を挟み議員と会談した際には、メイ首相は欠席したと報道されている。

 メイ首相は、学校をボイコットすることに良い感情を持っていないように思われるが、トゥーンベリの主張そのものも、我々は良く考える必要があるようだ。

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