高速にするコツは、日々振り返るのを徹底すること
精度の高いダイレクトリクルーティングを続けると、私たちにフィットする人が見つかるものです。だからこそ、現在、正社員80人程になっており、定着率が高いのだと思います。様々な意味でビハインドしているところから、スタートしました。勝つためにはどうすればいいのか、と常に考える必要があったのです。1回で勝つのは難しいですから、何度か試みます。その時に大切にしていたのが、「高速PDCA」です。
ダイレクトリクルーティングを進めるうえでは、採用のプロセス(オファー→書類選考→複数回の面接→内定)ごとに数字をベースに記録し、ネック(課題)を見つけ、次に生かすことを試みてきました。このPDCAサイクルを速いスピードで回すので、「高速PDCA」とHR部門では呼んでいるのです。高速にするコツは、日々振り返るのを徹底すること。これを習慣にできると、おのずとスピードが速くなると思います。
「採用」というと、数値化できないように捉える方がいるようですが、私はそうではないとかねがね思っています。数字として記録しないと、再現性がないように考えているのです。例えば、私が風邪で数日間、出社できなくとも、ほかのスタッフができないといけない。これが、「再現性がある」ということです。私しかできないような採用活動ならば、仕組みづくりとしては好ましくないのではないか、と思います。だからこそ、可能な限り、数値化するようにしているのです。エントリー者の傾向や労働市場の動きは、確実に見えてきます。数字に残すと、例えば、1年前と比べ、市場の変化や私たちの採用ノウハウやスキルのレベルを確認できます。
私が大変に恵まれていたのは、創業時から社長以下、役員、メンバーなど、多くの人が採用に熱心であり、HR部門に協力的であったことです。ふだんから、役員やメンバーとのミーティングをしたり、チャットツールを使ったりして、求めるべき人材の経験やスキルについての考えを調整します。採用試験の流れも確かめるようにしています。このようなカルチャーがあったからこそ、現在のような状況になっているのだろうと思います。あらためて感謝したいですね。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。