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2019年12月29日

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磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

 一人ひとり違う耳の形に合わせて、テイラーメイドで作られるイヤホンをご存じだろうか。ソニーの「Just ear(ジャスト イヤー)」。究極の装着性を追求して最高の音質にたどり着くことを狙った逸品は、当然、一つひとつ手作りされる。しかも日本国内でだ。
 

ジャストイヤーの完成品(ソニー・太陽提供)

 東京・青山にある「東京ヒアリングケアセンター青山店」で耳型を採ると、それが大分県日出(ひじ)町にある「ソニー・太陽」の工場に送られてくる。耳型から型枠を作り、そこに樹脂を流し込んでイヤホン本体を作るのだ。

 わずかなデコボコでも装着感が変わるため、手作業で削り、磨いていく。顕微鏡を使いながら精密な電子機器を組み込んでいく。微細な手作業が続く。

表面に艶を出す工程(写真・湯澤 毅、以下同)

 そうして仕上げても、より精緻な装着感を求める顧客のため再調整することもある。

 そんな「究極のイヤホン」。好みに合わせて音をチューニングする音質調整モデルXJE−MH1は30万円(税別)である。イヤホンとしてはなかなかの高価格だ。長年ソニーのヘッドホンやイヤホンの開発に携わったエンジニアが注文客から使用環境や好みの音楽を聞き、それに合わせた音質を提案する。まさに世界に1台だけの「あなたのイヤホン」だ。

 音質プリセットモデルMJE−MH2は20万円(税別)。事前に音質を調整した「モニター」「リスニング」「クラブサウンド」という3つのタイプがある。いずれも、加えて、耳型を採取する費用9000円(税別)が別途かかる。

 実は、このジャストイヤーを作っているソニー・太陽という会社は、ソニーの創業者だった井深大さんが、ある思いを込めて作った会社だ。障がい者が自立を目指す施設として創られた社会福祉法人「太陽の家」と共同出資で1978年に設立された。

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