2024年11月22日(金)

WEDGE REPORT

2019年9月30日

バイデン問題、民主にも不利に働く?

 関心といえば、トランプ大統領が〝圧力〟をかけたといわれるバイデン前副大統領をめぐる問題自体も不明朗な印象を与える。

 バイデン前副大統領は2016年、ウクライナを訪問した際、同国のエネルギー企業、「ブリスマ」のスキャンダルを捜査していたウクライナのショーキン検事総長を更迭するようポロシェンコ大統領(当時)に強く要請した。これもやはり「圧力」に近かったともいわれる。

 当時、ウクライナの検察当局はブリスマのオーナーが関与している横領、マネーロンダリング(資金洗浄)などの捜査を行っており、バイデン氏の次男、ハンター氏がブリスマの役員に名を連ねていたことから、バイデン氏の要請は次男への波及を避けるなどの目的もあったのではないかとの指摘も、共和党を中心になされている。

 捜査の指揮を執っていたショーキン検事総長は解任され、その後の米メディアへのインタビューで、「ハンター氏ら幹部への事情聴取を含むあらゆる捜査を検討していた」と述べている。

 弾劾に向けた調査の過程で、ブリスマとバイデン前副大統領、ハンター氏との関係がつまびらかになれば、来年に迫った大統領選での最有力候補が打撃をこうむることにもなりかねず、民主党にとっては、〝諸刃の剣〟ともいえそうだ。

 今回の事態にもっとも当惑しているのは、バイデン氏自身かもしれない。

  
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