2024年4月15日(月)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2019年12月19日

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(sefa ozel / iStock / Getty Images Plus )

ハロウィンやクリスマスがあっても、日本人にとって最大のイベントは、昔も今も「お正月」。家族が集い、無事に新しい年を迎える喜びを分かち合う。それは1年で最も「飲み食い」が盛んになるときでもある。そこで、気になるのが体重管理。体脂肪の増加は健康にどのくらい影響を与えるのだろうか?

体脂肪の役割は「エネルギー貯蔵」「身体の保護」

骨・筋肉・血液等々、私たちの体組織は健康状態や寿命と深く関わっている。体脂肪もその1つだ。一般的に、健康的に好ましい体脂肪率は、男性は10%~19%、女性は20~29%程度(この数値はBMI【※1】とは違うので間違えないように!)。成人女性は、妊娠や出産があるので、自分自身あるいは胎児を守るために男性よりも体脂肪を多く蓄えていると考えられている。

体脂肪はエネルギー貯蔵という重要な機能を果たしているだけではなく、身体を保護するという役割も担っている。近年では、生活習慣病を誘発する肥満の原因であるとして、体脂肪が嫌われる傾向にあるが、「少なければ少ないほどいい」というものではけっしてない。30~40年ほど前までは、多くの日本人が、充分な食べ物を得られないために「必要量の体脂肪」を確保できない不健康な状態にあった。もちろん、そのときの日本人は「長生き」ではなかった。

経済的に豊かになると(日本人だけではなくどこの地域の人であっても)食生活が充実してきて、体重も増えてくる=体脂肪が多くなる。一般的には、それで健康にもなって寿命も長くなる。ただし、往々にして「食生活の充実」は歯止めがきかなくなり、いき過ぎてしまうことがきわめて多い。つまりカロリーの過剰摂取による「肥満=体脂肪の過多」に至る。

体重計の体脂肪率は推計値にすぎない

「自分は体脂肪をどのくらい蓄えてあるのか」を知りたいところだが、体脂肪量を正確に知ることはきわめて難しい(極端にいえば解剖するしかない)。そのため、多くのデータから「推測」することになる。近年「体脂肪率を計測することができる体重計」が開発され、多くの人が利用している。これらの器具のほとんどは、微弱な電流を流すことによって体内の「脂肪以外の量」を推測し、全体からそれを差し引いて脂肪量を算出する、という方法をとっている。

体脂肪を毎日計測していると、日によって体脂肪率がけっこう変わることに気が付くだろう。しかし、体脂肪の量は、毎日そんなに変化するものではない。水分量などが増減するために体脂肪率が変化するようにみえると考えてよい。体脂肪計の「数字の増減」に一喜一憂することはない。体脂肪率は1週間に1度くらい計測し、大きな流れで捉えるほうがいい。

もし体重計にBMIの数値が表示されるのであれば、健康のためにはそちらに留意することをすすめる。そもそも、BMIと健康・寿命との相関関係を示す研究データは世界中に山ほどあるのだが、体脂肪率と健康・寿命との関係を示す研究データはあまり多くない。それは、体脂肪率がなかなか正確に計測できないということによるのだろう。

BMIは身長と体重によってのみ計算されるので比較的単純に算出できる。健康・寿命との関係を重視するのであれば、体脂肪率ではなく体重に注意を払うほうがいい。体脂肪率が結果に強く影響するアスリートや、美容やファッションに関心が高い女性(男性でも)であれば体脂肪率を気にするのは仕方ないだろうが……。

【※1】BMI(Body Mass Index:日本語で体格指数)は世界的に使われている「肥満の指標」。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出する。若い人では22が理想と考えられているが、中高年以降では23~25程度が健康で長生きするといわれている。


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