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2019年12月24日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

幹部研修にも

 エクスペリサスを設立したのは2017年の1月で、社長を入れて5人のチーム。外資系コンサルティングや投資業務を経験した若者が中心で事業展開している。丸山社長は上智大学を卒業後にシンガポール国立大学へ留学、長期インターンで投資銀行業務を経験、11年に起業に参画、その後友人と一緒に起業するなどベンチャー精神が旺盛だ。その影響もあってか、社長を含め、社員の人的ネットワークを生かして、富裕層のインナーサークル人脈にも食い込んでいる。

 大手企業の幹部研修で有名寺院の住職の講話を聞くのは珍しくないが、京都にある日本有数の世界遺産寺院をゲストのために貸切り、日本で最もつらいと言われる荒行を終えた住職から仏教の歴史を学び、茶道師範によるお点前体験などを組み込む。企業の幹部にとって、こうした得難い体験は新鮮なものがある。

 今年5月に大手損保会社、電力会社の幹部などがこうした研修に参加したそうで、グローバル企業のエグゼクティブ向け研修プランも売り込もうとしている。

寺田倉庫と協業

 寺田倉庫が運営する、PIGMENT TOKYO(ピグモントーキョー)は、4500色に及ぶ顔料や600種類の筆など、希少かつ良質な画材のセレクト販売や、それらを扱ったワークショップを行っている。寺田倉庫本社のある東京・天王洲には、同社が運営する建築模型に特化したミュージアムや現代アートを取り扱うギャラリーなどがあり、それらのアート施設を巡るツアーをインバウンド向けに企画している。PIGMENT TOKYOには年間3万人以上のインバウンドが訪れ、さらに多くの観光客を呼び込みたい狙いがある。

 そこで日本文化に興味のある富裕層インバウンド向けの商品を共同で開発して、「ジャパン・ビスタ」を通じて世界中の富裕層旅行代理店に展開しようと、10月に両社が業務提携をした。寺田倉庫としてはエクスペリサスのネットワークを使うことでより多くのインバウンド集客につながり、エクスペリサスはほかにはない寺田倉庫独自のコンテンツを提供できるため、双方にメリットがある。柴田可那子・同社執行役員は「より多くのインバウンドの方に来てもらい、将来は天王洲地区を今以上に、アートや文化発信の街にしていきたい」と意欲を燃やしている。

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