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2020年1月16日

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 今年のCESで「スマートホーム・マーク・オブ・エクセレンス」賞の2020年度の授賞式が行われたが、そこで「今年のエネルギー節約製品」の年間最優秀賞に選ばれたのがイスラエルの企業ウォータージェンによる家庭用スマートウォーターサーバー、GENNYである。選出を行うのはCESの母体であるコンシューマー・テクノロジー・アソシエーション(CTA)だ。

ウォータージェン

 ウォータージェンは元々大型の水の製造装置を災害被災地、発展途上国などで使う目的で製造していた。空気中に含まれる水分をフィルターを通して浄化し、独自の特許技術GENiusにより飲水へと精製する。大掛かりな水の浄化装置がなくても、水源のない場所でも水を提供できる。

 同社の北米社長、ダン・クリフォード氏は「我社の使命は生命維持に必要不可欠な水を、より環境に優しい形で外部のリソースに頼ることなく人々に提供し、人々の生命を守ることだ」と語っている。

 

 今回の製品、GENNYはこの技術をコンパクト化し、家庭用のウォーターサーバーとして提供したものだ。

 見た目はごく普通の家庭やオフィスに置かれているウォーターサーバーそのものだが、通常こうしたサーバーには大型の水のポリタンクが設置されるが、GENNYにはそれが存在しない。空中の水分を取り込むだけで、1日に最大30リットルの水を作り出すことができるという。

 さらにGENNYには空気中の水分を取り込むことによる空気乾燥機の役割も付随する。また一旦空気を取り込み、フィルターを通して水を生成する段階で空気清浄機としても機能するという、まさに一石三鳥のサーバーでもある。生成された水はWHOや米国のEPA(環境保護庁)の飲水基準を満たしており、安全が保証されている。

 また、スマートホーム部門の賞を受賞しているだけに、当然ながらスマホアプリによるコントロール機能も提供されている。オフィスなどに設置する場合、1つのアプリで複数台のGENNYをコントロールすることも可能だ。

 GENNYは水を生成する際にある程度の音を立てるが、オフィスの会議などで音がうるさいと感じたらアプリから一時停止、あるいは水の生成速度を落とすことで音の軽減が出来る。さらにGENNYに使用されている交換可能部品(フィルター等)の交換時期をアプリを通して利用者に伝え、何らかの不具合が生じた場合もアプリから警告が届くため、突然の故障などで慌てることも、メンテナンス時期を確認する必要もない。

 すごい技術ではあるが、普及のネックとなるのは価格面かもしれない。まだ正式な価格は発表されていないが、価格が2499ドルで交換フィルターが半年ごとに125ドル程度になる、と予測されている。現在普及している家庭用ウォーターサーバーはサーバー本体が無料、水が高いものでも12リットル2000円程度だから、高く感じるだろう。しかし水を買う必要がなく、使い捨てになっている水のボトルなど環境面、さらに空気清浄機としての機能などを考えると、ランニングコスト全体で見ればそれほど高くない、とも言える。

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