〝マスクバブル〟崩壊の兆し
消費の混乱が続くなか、唯一の朗報が〝マスクバブル〟が弾け始めていることだろう。ドラッグストアの何店もはしごして、ようやく、数枚のマスクを手にするという事態は少し、収まるかもしれないのだ。
安倍晋三首相は3月7日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開きマスクがインターネットで高額転売されていることから、国民生活安定緊急措置法を適用し、マスクの転売行為を禁止する方針を表明した。
この措置を受け、ネットオークションやフリマアプリで高値で売り抜ける転売ヤーと呼ばれる人たちがマスクの手持ちの在庫を処分しようと必死になっている。ヤフーのオークションサイト「ヤフオク」では3月9日時点で「マスク100枚1万1000円」などという駆け込み出品が急増している。
アマゾンや楽天などのサイトに出店する〝小売店〟は規制の対象外だがEC(電子商取引)サイトではマスク「在庫あり」の表示が増え、これまで品切れ、入荷未定という表示が少なくなってきている。
コロナ騒動で明暗を分けている流通業界。果たして感染拡大による耐乏生活はいつまで続くのか。流通業界の次の焦点はその一点に絞られている。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。