「分断」選挙の再現
以上6つの再選を意識したトランプ大統領の戦略の中で、「中国ウイルス」発言の米国社会における影響が懸念されています。中国系を含めたアジア系に対する差別的言動を促すからです。
米公共放送のホワイトハウス担当のヤミーチェ・アルシンドール記者は、ホワイトハウス職員が新型コロナウイルスを「カンフルー」と呼んでいると、抗議ともとれる質問をトランプ大統領にぶつけています。「カンフルー」とはカンフー(中国拳法)とフルー(Flu:インフルエンザ)を掛けわせた造語です。また、米国民の中には新型コロナウイルスを「習インフルエンザ」と呼ぶ国民もいます。もちろん、「習」は習近平中国国家主席を指しています。
「中国ウイルス」発言は米国社会の分断をさらに深めることは確かです。トランプ大統領は、2016年米大統領選挙と同様、「分断の選挙戦略」を選択しました。
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