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2020年3月26日

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コロナが国民皆保険、学生ローン免除を後押しする

 皮肉なことに、コロナ騒動でこれまでサンダース氏が提唱し、人々が「不可能」と却下していたことが次々に実現しようとしている。ニューヨーク州のクオモ知事や議会の一部は「学生ローンを上限3万ドルで免除する」ことを真剣に考え始めた。医療従事者の子供のための無償保育所の設置、そして国民皆保険制度の必要性も叫ばれ始めた。

 バイデン氏としては、討論を重ねる中で「サンダースだけが真に国民のことを考えている」という印象を払拭するため、ある程度サンダース氏の主張を自分の主張の中に取り入れる必要性が出てくる。実際、民主党内からは「バイデン氏がやや左傾化している」と懸念する声もあるほどだ。これまで中道派の王道を歩んできたバイデン氏だが、国家の一大事に直面してある程度は左派の手法を組み込む必要性が出ているのだ。

 つまりサンダース氏としては、今後の討論や選挙戦で危機感を煽り、バイデン氏の妥協を引き出し、自分が理想とする政治を少しでも今後の政権が実現していく可能性のために、戦いを続けるということになる。

 もちろん巻き返しも絶対に不可能ではない。海外在住の米国人による投票では勝利したし、今後ますますウィルス騒動が広がり国が破綻の危機に直面すれば、国を抜本的に改革しようというサンダース氏への共感が巻き起こる可能性もある。しかし「負けてもレガシィを残したい」というサンダース氏の戦いは、今後の米国にも必ず影響を及ぼすだろう。

  
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