資産家の親爺さんはアントレプレナー
8月1日 、ポーランドでは8月は秋の始まりだ。肌寒い天気のなか午後4時頃Ulejowという町に到着。大きな家の中庭に主人らしき人物がいたので挨拶するとマレックと名乗った。マレック氏は英語が苦手だと言って娘をスマホで呼び出した。
マレック氏の風貌からは想像できない美形女子が登場。ビクトリアと名乗りマレックの末娘。薬学専攻の大学生で19歳。マレック氏は1956年生まれの63歳。日本のオジサンより3歳若い。
氏は30年前のソ連崩壊直後の混乱期に個人ビジネスを始めた。高品質の日本製中古車ならポーランドで高く売れると算盤を弾いて東京や横浜で直接買い付けて輸入。
中古車輸入で一財産稼いで不動産投資。現在は近くの地方都市で大きなレストランパブを経営。マレック氏は武骨で不器用そうな外見であるが、社会主義体制崩壊後の混迷の時代を乗り切ったアントレプレナーだったのだ。
叔母さんは混乱の時代にデンマークへ出稼ぎ
そのうちにマレック氏の妹であるアーニャが登場。アーニャは社会主義体制崩壊後にデンマークに出稼ぎに行き永住権を得て現在デンマークに住んでいる。デンマーク在住30年で娘さんはデンマークで検事をしていると写真を見せて自慢。
アーニャもマレック氏と同じく逞しく運命を切り拓いてきた女性だった。そして敷地内にあるアーニャが所有しているアパートのキッチン・バストイレ付きの豪華な空き部屋で一夜を過ごすことになった。
ザドジンスキー氏、マレック氏、アーニャ、激動と混乱の時代を生き抜いたポーランドの市井の人々の逞しさと優しさが忘れられない。
次回に続く
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