フォード、ニクソン恩赦で落選
トランプ大統領と似たような状況に置かれたものの、公正さを失わなかったのがニクソン大統領(共和党)だ。
1972年の大統領選挙の際、自陣営のスタッフが民主党本部に侵入したウォーターゲート事件で側近らが次々に訴追された。74年8月、自らも弾劾訴追が不可避となった時点で辞職したが、この間一人として恩赦、刑の免除を行わなかった。
後任のフォード大統領が辞職後のニクソン氏に恩赦を与え、それが選挙敗北の遠因となったというのは皮肉な話だ。
「ニクソン氏はそれをすればどんな結末になるかわかっていたが、フォード氏は前大統領が法廷に引き出され、さらし者にされるのを見るに忍びなかったのだろう。トランプ氏は事の重大さに気づいていない。フォードのケースを見よ」(雑誌「THE NEW YORKER」)という指摘がある。
トランプ氏はフォード氏と同じ轍を踏むのだろうか。
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