第4回 お風呂でも使える電気シェーバー
『ラムダッシュ』の開発者
パナソニック株式会社 依田裕希さん(38)

自分たちが開発し、世に出した商品で、世のオトコたちのシェービングを変える──これに成功した時、彼は「この仕事をやっていて本当によかった」と喜びをかみしめたそうだ。
「例えば『ラムダッシュ』はお風呂の中で、顔を泡でつつみながら使うことができます。まず、ひげがそりやすいから、シェービングが気持ちよくなりますし、肌にやさしく深ぞりができるんです。使用後は、シェーバーをシャワーなどで丸洗いできるから、まめに洗っても手間がかからず、より清潔にお使いいただけます」
お客様の浴室まで入って観察
こうして、ひげそりを進化させることができた時、彼はやりがいを持つ、というわけだ。仕事が好きだから、企画立案の際、必要であれば驚くようなこともする。

「開発の際、お客様の家に足を運び、水着を着ていただいてお風呂でひげをそる様子を見ながら発想のヒントを探したこともありましたよ(笑)。結局は、こうして自分自身が動き、みなさんがどんなスタイルでひげをそっているか、徹底的に行動を分析することが新たな商品を生むからです」
商品企画は、誰かに「こういうものがあればいい」と教えてもらえることはない。ユーザーが想像できる程度の商品はすでに誰かが実現している場合が多いからだ。だからこそ、彼は自分自身が動き、お客様の浴室まで入って、観察をする。
そして、この姿勢は、様々な挫折から生まれたものだった。